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小児マウスピース治療は何歳から始められる?予防矯正を始めるタイミングとは

小児矯正

「子どもの歯並びは、いつから気にすればいい?」
「矯正治療はまだ早い?」
「今からできることはある?」と、お子さまの歯並びについて悩まれる保護者の方は少なくありません。
お子さまの矯正治療は、大人と異なり、治療できる時期に限りがあります。
さらに、「始めるのに適した時期」があり、その時期はお一人お一人で異なります。

 

ここでは、マウスピースを使用した子どもの矯正治療は何歳から始められるのか、どのようなタイミングが適切なのか、そして早期に取り組むメリットや注意点についてお話しします。

 

 

マウスピースを使った「予防矯正」の対象は3~8歳

 

マウスピースを使った「予防矯正」を始めるタイミングの目安は、3〜8歳ごろです。
予防矯正は、一般的な矯正治療とは異なり、将来的に歯並びが悪くなるのを予防する目的で行います。
取り外し式のマウスピースを使用し、歯を動かすというよりも、お口周りの筋肉や舌の位置、呼吸の仕方などを整えながら、顎の骨の自然な成長を促すのが特徴です。

 

3〜8歳の時期は、乳歯と永久歯が混在していて、顎の骨は成長途中にあります。
このタイミングで、顎の骨が適切に成長するようにアプローチすることで、将来的に歯並びが悪くなるリスクを軽減できる可能性があるのです。

 

ただし、すべてのお子さまにとって、3〜8歳が適切なタイミングとは限りません。
成長のスピードやお口の状態には個人差があるため、年齢で判断するのではなく、定期的にお口をチェックして、タイミングを見極めることが大切です。

 

治療のタイミングを見極めるポイントは顎の成長段階

矯正治療をいつ始めるかは、単に年齢ではなく、顎の骨の成長段階によって決まります。
骨の成長のピークは個人差があり、同じ年齢でも発育の進み具合は異なります。
顎の幅や上下のバランス、歯の生えかわりの状況などを総合的に判断して、適切なタイミングを見極めることが大切です。
永久歯が生えそろう時期までに、顎の幅が十分に確保されていないと、永久歯が生えるスペースが不足しやすくなります。

 

乳歯だけが並んでいる「乳歯列期」は、上下の顎の骨が大きく成長する時期です。
一般的には、6歳くらいから、乳歯から永久歯への生えかわりが始まります。
乳歯と永久歯が混在する「混合歯列期」に入ると、お子さまによっては、歯並びの乱れが顕著になることもあります。
この段階で、顎の骨の成長をサポートする治療を行うことで、永久歯をキレイな状態に並べられる可能性が高くなるのです。

 

反対に、顎の骨の成長をうまく活用できる時期を逃してしまうと、骨の成長が止まってしまい、顎の骨にアプローチする治療が難しくなります。
そのため、早い段階からお口の状態をチェックしておき、適切なタイミングを見極めることが大切です。

 

歯科医院での判断が必要な理由

お子さまの歯並びは、一見問題がなさそうに見えても、レントゲン検査やかみ合わせの検査によって将来的なリスクが見つかることがあります。
歯科医院では、検査結果をもとに、「今は経過観察でよいのか」「早めに始めたほうがよいのか」を判断し、お一人お一人の症状に合わせた治療計画を立案します。
自己判断で様子を見続けるのではなく、定期的な歯科受診で成長の変化を確認することが、適切なタイミングでの治療開始につながるのです。

 

 

マウスピースを使った「予防矯正」を早期に始めるメリット

予防矯正を行うことで、次のようなメリットが期待できます。

 

顎の骨の成長を利用できる

 

永久歯がきれいに並ぶためには、十分なスペースが必要です。
小児期は顎の骨が成長段階にあり、骨もやわらかいことから、顎の成長を促すことが可能です。
顎の幅を広げたり、上下のバランスを整えたりすることで、将来生えてくる永久歯が自然に並びやすい土台をつくります。
顎が成長する時期には限りがあるため、この時期を活かせることは大きなメリットです。

 

将来的に抜歯が不要になる可能性が高くなる

顎のスペースが不足していることで永久歯が並びきらず、歯並びがガタガタになってしまうと、抜歯が必要になることがあります。
顎が成長する時期に成長を促すことで、十分なスペースを確保できれば、将来的に、歯を抜かずに矯正できる可能性が高まるのです。

 

また、大人になってから矯正治療を行う場合に、治療期間が短縮されたり、歯の移動量が少なくすんだりする可能性が高くなります。
将来的な治療の負担を軽減できる点も、予防矯正のメリットです。

 

治療の負担が少ない

予防矯正で使用するマウスピースは、やわらかく、装着時の痛みも少ないのが特徴です。
強い力で歯を大きく動かす治療ではなく、顎の成長をサポートすることを目的としているため、一般的な矯正治療とは異なり、痛みが少ないと感じるお子さまが多い傾向にあります。

 

また、取り外しが可能な装置であるため、食事や歯磨きの際には外すことができ、日常生活への影響も比較的少なくすむというのも、お子さまにとってメリットとなるでしょう。

 

お口の健康維持につながる

予防矯正を行う場合、定期的な通院が必要になります。
装置の調整や経過観察のために歯科医院へ通うことで、むし歯ができていないかどうかもチェックすることが可能です。
万が一、むし歯ができてしまった場合でも、初期の段階で発見できれば、歯を削る量を最小限に抑えられる可能性が高まります。

 

また、定期的に歯科に通ってブラッシング指導を受けることで、お口を健康な状態に保とうという意識を自然と持てるようになるでしょう。

 

全身の成長をサポート

予防矯正を行うことで、歯並びだけでなく、口呼吸や舌の位置、姿勢といった生活習慣やクセの改善にもつながります。

 

口呼吸が続くと顎の発育や歯並びに影響を与えることがあります。
また、舌のクセや姿勢の乱れもそのままにしていると、かみ合わせのズレを招く原因になることがあるのです。

 

予防矯正では、お口周りの筋肉バランスを整えることで、適切な呼吸や飲み込み方へ導くことが期待され、お口だけでなく全身のすこやかな成長を支えることにつながります。

 

 

予防矯正が必要かのチェックポイント

歯並びの乱れは、見た目だけでなくかみ合わせや発音、呼吸にも影響を与えることがあります。
早期に発見し、治療を始めることで、治療の負担や健康面への悪影響を軽減できる可能性があるのです。
次のような場合は、予防矯正を行った方がいい可能性が高いため、早めに歯科医院に相談しましょう。

 

歯並びやかみ合わせが気になる


・前歯が重なってガタガタしている「叢生(そうせい)」
・下の前歯が上の前歯より前に出ている「反対咬合(はんたいこうごう)」
・上の前歯が下の前歯よりも大きく前に出ている「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」
・上下の前歯がかみ合わずにすき間があく「開咬(かいこう)」
・かみ合わせが横にずれている「交叉咬合(こうさこうごう)」

などは、代表的な不正咬合の種類です。

 

これらは見た目の問題だけでなく、かみにくさや発音のしにくさ、顎関節への負担につながることがあります。
仕上げ磨きの際などに、歯の生え方をチェックし、気になる点があれば、歯科に相談しましょう。

 

口呼吸をしている

お子さまに、

・口がぽかんと開いている
・寝ているときにいびきをかいている

といった様子がある場合は、口呼吸が習慣になっている可能性があります。
口呼吸が続くと舌の位置が下がりやすくなり、上顎の成長が十分に促されないことがあります。
顎が十分に成長しないと、歯が並ぶスペースが不足し、歯並びの乱れにつながる可能性があるため、注意が必要です。

 

指しゃぶりや舌のクセがある

指しゃぶりが長期間続くと、前歯が前方に押し出されて出っ歯になったり、上下の前歯がかみ合わない「開咬」といった歯並びになったりすることがあります。
3歳までの指しゃぶりは、無理にやめさせる必要はありません。
なぜなら、指しゃぶりをすることで、お口の感覚機能を高めるための生理的な行為と考えられているからです。
けれども、4歳を過ぎても続いている場合は、歯並びに影響が出る可能性があるため、無理なくやめられるように働きかけることが大切です。

参考:山形県「指しゃぶり」より >

 

また、無意識に舌で前歯を押す「舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)」があると、歯が少しずつ前方に傾き、歯並びやかみ合わせに影響を及ぼします。
サ行やタ行などの発音が不明瞭な場合、舌の使い方にクセがあることも考えられます。
これらのクセは成長とともに自然に改善する場合もありますが、長く続くと不正咬合の原因になることがあるため、お子さまのお口の動きをよく観察し、日常的なお声がけや、舌のポジションを意識させる遊びやゲームなどを取り入れましょう。

 

 

予防矯正を始める前に知っておきたい注意点

予防矯正を行うためには、保護者の方とお子さまの協力が必要です。
マウスピースの装着方法や装着時間に問題がある場合、治療の効果を得られないことがあります。

 

毎日の装着時間を守る

マウスピースは、毎日時間を守って装着することが必要です。
決められた装着時間を守らなければ、十分な効果が得られません。
お子さまの生活リズムの中で、無理なく続けられるかどうかが、治療を始める上で重要になります。

 

お子さまと保護者の方と協力して行うことが大切

予防矯正を行うためには、保護者のサポートが必要です。
お子さまが前向きに取り組めるようなお声がけや、装着時間の管理など、治療を続けやすい環境を整えましょう。

治療期間は定期的な通院と経過観察が必要

成長に応じて治療計画が変わる可能性があります。
治療期間中は、定期的に通院し、マウスピースが適切に装着できているか、お口の中にトラブルが起きていないかなどを確認しながら進めることが大切です。

 

 

「よい歯並び」のために適切なタイミングで始めましょう

顎の成長するタイミングに治療を始めることで、治療の負担を軽減できる可能性が高まります。
ただし、予防矯正は「早ければよい」というものではなく、お一人お一人にとって、「適切な時期」に始めることが重要です。

 

気になる症状がない場合でも、定期的に歯科に通い、歯並びの状態をチェックしましょう。
適切な時期を逃さないためにも、少しでも気になることがあれば早めにご相談ください。


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※小児矯正治療は自由診療です。
※マウスピース型矯正装置は完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。